・介護職ってクズばかりなの?
・介護職がクズばかりと言われる理由は?
・介護職でクズな人が会社に与える影響は?
・介護職でクズな人の特徴は?
・介護職でクズな人の対処方法を知りたい
この記事では、このようなお悩みにお答えしていきます。
・介護職ってクズばかりなの?
・介護職がクズばかりと言われる理由は?
・介護職でクズな人が会社に与える影響は?
・介護職でクズな人の特徴は?
・介護職でクズな人への対処方法
・まとめ:介護職はクズばかりではないが、一定数のクズがいるのも事実
「介護職はクズばかり」という厳しい言葉を耳にすることがあります。
テレビやネットで報道されるネガティブな話題によって、そういったイメージが強くなったのかもしれません。
しかし、本当のところはどうなのでしょう?
この記事では、すべての介護職員をひとくくりにするのではなく、介護の現場で16年以上働いてきた僕が実際に目の当たりにしてきたことをお話しします。
介護職のリアルをお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
介護職ってクズばかりなの?
結論、介護職はクズばかりではありません。
介護業界には、あたたかい心を持ち、利用者様に誠心誠意尽くす職員が多くいます。
しかし、一部には不適切な行動をとる人もおり、そうした行為がメディアに大きく取り上げられることがあるため、誤解を招いてしまうのです。
僕が実際に見てきた肌感覚としては、職場によってクズが多い職場と少ない職場があります。
では、その違いはどこにあるのでしょうか?
それは「応募条件」による部分が大きいでしょう。
たとえば、「未経験、無資格でもOK」というのは言い換えれば「誰でも応募、入社できる」ということであり、結果としてクズが入ってきやすくもなります。
社会福祉法人など公的な施設は、応募条件に「介護福祉士の資格を保有していること」が必須なところもあり、一定の基準を設けているところもあります。
介護職がクズばかりと言われる理由は?
「介護職がクズばかり」と言われる理由は、以下の5つです。
・他の職種に比べて給料が安いから
・ストレスフルな職場環境だから
・未経験、無資格でも働けるから
・研修体系が不十分で整備されていないから
・不適切な対応をする職員の例がメディアに取り上げられやすいから
それぞれ解説していきます。
他の職種に比べて給料が安いから
介護職は他の職種と比較すると、給料が低い傾向にあります。
以下の表は、介護職の平均月収・平均年収をまとめたものです。
介護職の平均月収・平均年収
平均年齢 | 44.2歳 |
平均勤続年数 | 7.9年 |
平均年収 | 約362.9万円 |
平均月収 | 約25.6万円 |
平均ボーナス | 約53.9万円 |
出典:厚生労働省「令和4年賃金構造基本統計調査」(企業規模計10人以上)
この金額を他のいろいろな職業の給与と比べてみると、特に多いわけではありません。
給与の水準が社会的な評価に直結してしまう傾向があるため、低賃金が低評価につながり、介護職のイメージを貶める一因になっているのです。
・生活を支えるだけの報酬が得られない
・他業種と比較し、同じ労働をしても報酬が低い
上記のような不満を感じる介護職員が職場を離れることで、業界全体の人材不足を招き、さらにはそのストレスから不適切な行動に出る職員も現れやすくなっています。
ストレスフルな職場環境だから
介護業界は精神的・肉体的な負担が大きく、ストレスがたまりやすい環境にあります。
接する利用者1人ひとりのニーズに応えるため、常に献身的な姿勢が求められ、それが過重労働につながっているのです。
・ 高齢者の身体的・精神的ケアが常に求められる
・人手不足による業務量の増加
・人間関係でのストレス発生が多い
このような厳しい状況が続くと、職員によってはストレスに負け、利用者に対して不適切な態度を取ってしまうことにつながっていきます。
未経験、無資格でも働けるから
介護業界では、未経験や無資格であっても働き始めることが可能です。
この敷居の低さが、不適切な対応をする職員を招くリスクがあります。
・専門技術や知識がなくても採用されることがある
・現場でのOJT(On-the-Job Training)に依存する傾向が強い
この状況では、介護職に向かない人が職場に入ることがあり、一部に適正のない職員や、責任感のない行動を取る職員も出てきてしまうのです。
研修体系が不十分で整備されていないから
現在の介護業界において研修体系が不十分な場合があります。
このため、介護職員が適切なスキルや知識を身につける機会が限られてしまい、その結果、プロフェッショナルとしての対応ができない場合が生じます。
・継続的な研修が行われていない
・スキルアップの機会が不足している
これにより、職員が十分な対応を行えず、利用者やその家族から不信感を持たれやすくなるのです。
不適切な対応をする職員の例がメディアに取り上げられやすいから
不適切な介護が行われた際、メディアによって大々的に報じられることがあります。
その結果、一部の職員の行動が介護職全体と見なされ、業界に対するイメージが悪化してしまうのです。
・メディアは視聴率を意識して、衝撃的なニュースを取り上げがち
・職員の良い行いよりも悪い行いが目立ちやすい
この点においても、介護職全体を「クズ」と決めつけるような不適切な報道は、業界への偏見や誤解を生む一因となっています。
介護職でクズな人が会社に与える影響は?
介護職でクズな人が会社に与える影響は、以下の4つです。
・利用者からの苦情の増加
・職員間のトラブルやいじめの発生
・職員の定着率の低下
・法的責任や社会的責任の問題発生のリスク
それぞれ解説していきます。
利用者からの苦情の増加
介護職で誠実さを欠く人物が職場にいると、利用者やその家族からの苦情が増える傾向にあります。理由としては次のような点が挙げられます。
・接遇態度が悪いことで利用者が不快に感じる。
・必要なケアが行き届かず、利用者の健康や心の安定が損なわれる。
・守秘義務の意識が不十分で、個人情報が漏洩する恐れがある。
これらの問題は利用者との信頼関係を破壊し、介護サービスの評価を下げる結果を招くことになります。
職員間のトラブルやいじめの発生
職員としての責任感が低く、人間関係に問題を抱えた職員は、職場の雰囲気を悪化させる原因となります。
・協調性がないために仲間との協力がうまくいかず、仕事の負担が偏る。
・他の職員に対する無礼や不適切な態度が、人間関係のトラブルに発展する。
・マイナスの姿勢が他の職員にも影響を与え、職場全体の士気が下がる。
結果として、いじめや不和が生じ、質の高いケアの提供が妨げられる状況が発生してしまうのです。
職員の定着率の低下
職場に不適切な行動をする職員がいると、他の職員の仕事へのやりがいや職場に対する愛着が失われ、退職を考える人が出てきます。
・ストレスが多い環境は職員の心身の負担になる。
・チームワークが損なわれることで、仕事の効率や成果が下がる。
・職場の人間関係が不安定になり、新しい人材の確保が困難になる。
職員の定着率が低下すると、経験豊富な職員が減り、質を保つのも難しくなるでしょう。
法的責任や社会的責任の問題発生のリスク
職務を怠る姿勢を持つ職員がいると、法的責任や社会的責任に関するリスクが高まります。
・職員の不適切な介護が原因で事故が生じ、会社が訴えられることもある。
・利用者に対する人権侵害が発覚し、社会的な信頼を大きく損ねる。
・十分な研修や管理が行われていないとみなされ、会社の評価が落ちる。
法的責任や社会的責任の問題は、会社に対する信頼を著しく損ない、経済的損失にもつながる可能性があります。
介護職でクズな人の特徴は?
僕が実際に見てきた「介護職でクズな人の特徴」は、以下の6つです。
・利用者の意見を尊重せず、独りよがりな対応をする
・約束や時間を守らず、遅刻・早退を繰り返す
・手抜きの介護を行い、利用者の安全を脅かす
・同僚や上司に対する愚痴や悪口が多い
・不適切な言葉遣いや振る舞いで職場の雰囲気を悪化させる
・個人情報を軽視し、おしゃべりやSNSで漏らす
それぞれ解説していきます。
利用者の意見を尊重せず、独りよがりな対応をする
介護に携わる者として、利用者の意見を尊重することは重要なポイントです。
しかし、中には自分の都合や考えだけで対応する人がいます。このような対応は以下のような問題を引き起こす原因となります。
・利用者の自主性を奪い、ストレスを与える
・転倒などの事故へのリスクを高めることがある
・その人らしい生活ができない可能性がある
介護を受ける利用者とその家族は、支援を通して可能な限り自立した生活を送りたいと考えています。そのため、利用者の希望やニーズを聞き、共感・尊重する姿勢が大切です。
約束や時間を守らず、遅刻・早退を繰り返す
介護の現場は多くのスタッフが協力し合いながら進めるため、時間の管理も欠かせません。それにもかかわらず、約束や時間を守らない人は、以下のような影響を及ぼします。
・他のスタッフの負担が増加する
・サービスの質が低下することが懸念される
・利用者の不安や混乱を招くことがある
このような行動を繰り返す人は、職場の信頼を損ね、介護サービス全体の質に影響を与えかねません。
手抜きの介護を行い、利用者の安全を脅かす
手抜きの介護は利用者にとって大変なリスクを伴います。適切なケアが行われない結果、以下の問題が発生することが考えられます。
・褥瘡(じょくそう)などの介護関連疾患が生じるリスクが増加する
・心理的な不安や孤立感を感じることがある
・身体の機能低下を招くことにもつながる
介護は利用者の安全と生活の質を守るためのものであり、手抜きは許されることではありません。
同僚や上司に対する愚痴や悪口が多い
職場の人間関係は良好な環境作りに不可欠です。しかしながら愚痴や悪口が多いと、以下に挙げるような悪影響が生じます。
・職場の雰囲気が悪化する
・スタッフ間の信頼関係が失われることがある
・モチベーションの低下に繋がり得る
チームワークは介護の質を高めるために重要な要素であるため、常に尊重と協力の精神が求められます。
個人情報を軽視し、おしゃべりやSNSで漏らす
個人情報の取り扱いは、法律で厳しく定められています。その管理を軽視する行為は、以下のような深刻な事態を招きます。
・利用者のプライバシー権が侵害される
・法律違反にあたる可能性が高く、社会的な信用を失墜させる
・施設全体の評判が下がることにもつながる
プライバシーの保護は職業倫理の一環であり、何よりも利用者の尊厳を守る基礎となります。
職員がこれを守らなければ、信頼される介護サービスの提供はできません。
介護職でクズな人への対処方法
介護職でクズな人への対処方法は、以下5つです。
・問題行動を起こした職員に反省の機会を設ける
・職場全体のルールや目標を再確認するミーティングの実施
・介護職としての職業倫理や責任感についての研修の実施
・チーム内のコミュニケーションを活発にし、協力体制の構築
・職場環境の改善やメンタルケアのサポート
それぞれ解説していきます。
問題行動を起こした職員に反省の機会を設ける
まずは個人としての意識改革が大切です。問題行動を起こした職員には、自らの行動を反省し、改善する機会を与えるべきです。
・1対1での面談を実施し、彼らの行動の背景を探る
・行動が及ぼす患者さんや他の職員への影響を説明する
・目標設定をし、達成に向けた行動計画を一緒に考える
自己反省のプロセスを通して、職員自身に自覚を促すことで、意識の変化を引き出すことが期待されます。
職場全体のルールや目標を再確認するミーティングの実施
問題が起きた際は、職場全体での共通認識を新たに築く必要があります。全職員が参加するミーティングで、以下の点を確認しましょう。
・介護の基本理念と職務に関わるルールを再確認
・職場独自のガイドラインを共有し、意見交換を行う
・各自の目標や期待される行動を明確にする
このように職場全体で目標を共有化することで、チームとしての一体感を高めます。
介護職としての職業倫理や責任感についての研修の実施
介護は専門的なスキルだけでなく、倫理的な責任感が求められる職業です。このため、職業倫理に焦点を当てた研修を実施すべきです。
・職業倫理に関する講義やケーススタディを用いたワークショップ
・患者さんの尊厳と自立支援に関する理解を深める内容
・権利擁護や虐待防止を含む、介護職員としての行動指針の学習
研修を通じて、職員間の意識を統一し、介護の質の向上を目指しましょう。
チーム内のコミュニケーションを活発にし、協力体制の構築
個々の職員の強化だけでなく、チームとしての結束も重要です。効果的なコミュニケーションの促進により、以下のようなメリットが期待されます。
・チーム内での情報共有が活性化し、相互理解を深める
・相談しやすい環境を作り、問題が起きたとき即座に対応できる体制を整える
・協力し合う文化が形成され、職場のモチベーションを高める
結束力のあるチームを作ることで、職場における問題を共に乗り越え、より良い介護サービスの提供を目指すことができます。
職場環境の改善やメンタルケアのサポート
介護職の現場は時に厳しい環境であり、メンタルケアのサポートや職場環境の改善に取り組むことが重要です。以下、具体的なステップをご紹介します。
・コミュニケーションの改善
仕事のストレスから問題行動が生じることがあります。定期的なミーティングを設け、職員間のコミュニケーションを活発化させることが有効です。ストレスの原因を共有し、解決策を一緒に模索しましょう。
・ストレスマネジメントの導入
職員のストレスを軽減するためには、リフレッシュできる環境や制度づくりが求められます。有給取得の奨励やカウンセリング制度の充実など、心身ともに健康でいられるようサポートしましょう。
・研修プログラムの充実
問題が起きた際の対応方法やコミュニケーションスキル向上のための研修を積極的に行うことで、職員同士の理解を深めることができます。また、職場内の教育体制を整えることで新しい職員の適応を助けることも可能です。
・上司や経営者の役割
上司や経営者が問題行動に対して適切な対応を示すことが求められます。職員の意見に耳を傾け、公正な判断を下すことで、職場の信頼関係を築く基盤となります。
・プライベートなケアを忘れずに
職員1人ひとりが自身の心身の健康を意識し、オフの時間を有意義に過ごすことも重要です。趣味の時間を持つ、家族や友人との交流を楽しむなど、日々のストレスを発散させることで仕事への向き合い方にも前向きな変化が生まれます。
個々のサポートだけでなく、組織全体で問題への取り組みを進めることで、やがて職場環境は改善されていくはずです。
まとめ:介護職はクズばかりではないが、一定数のクズがいるのも事実
介護職に対する否定的なイメージは、決して全体を代表するものではありません。
介護現場においては多くの献身的な職員が存在し、利用者の生活の質の向上に尽力しています。
事実として一部の問題を抱えるケースが報じられることも真実ですが、そうした事例はごく一部であり、それによって業界全体が同様のレッテルを貼られるのは不当です。
介護業界に関する誤解を招くような偏見にさらされた場合には、そのような一面的な見方に惑わされることなく、業界の重要性や職員1人ひとりの尽力を正しく認識することが肝要です。
個々の介護職員が持つ個性や思いを大切にしつつ、自信を持って日々の業務に取り組むことができる環境を作ることを目指しましょう。
この記事を通して、一部のネガティブな声に左右されず、実際の介護現場へのサポートや魅力を再発見していただければ幸いです。